日本陸軍航空隊 ― 写真集 ―

あとがき 

日本海軍航空隊がその光輝ある歴史を闘じてから16午の歳月が れに。16午の歳月は，かって日本国民が生み出しに軍航空の業績に 対してさまざまの評価を与えて来たが，なかんずく海軍航空隊の成しとげた技術的達成と 戦績に対しては，今日なお多くの国民が敬慕 と哀措の情を失うことなく，多くの書物，多 くの映画がそれについて 語るとき，ひろく歓 迎を受けていることは周知の事実である。

しかしながら，日本海軍航空隊の歴史を物 語る貴重な写真を集めてこれに詳細な解説を 付し，系統的にまた整然と配列してこれを一巻の写真史として編集するという仕事は，今 日までその出現が待望されながら，ついに実 現を見ないところであった。( ... )

編集を嘱された私は，微力をも顧 みず，全力をあげてこの写真集の製作にあた ることを決意したのである。( ... ) 共著者として名をつらねられた永石正孝氏は，日本海軍航警空隊きっての名指揮官であり，今日における目本海軍航空史の権威でもある。( ... ) 浮価 されて，秘蔵の写真数十枚を提供され，なお多 くの資料を貸与の上，種々の教示をたまわっ た。この写真集一巻について言えば，むしろ 同氏の名は，名誉ある「監修者」として高々 と冠するべきであるが，出版社の乞いに応じ て共著者としてとどまられることになったこ とを報告しておく。( ... )

昭和35年11月18日

秋本 実