Book cover finish | Canvas finish, Bookmark, Bradel, Hardcover ( square back binding ) |
Special features | Insert, Slightly damaged dust jacket |
Condition | Used, very good condition |
Number of pages | 155 |
Published date | 1960 |
Language | Japanese |
Size | 16 x 22 x 2 cm |
Author | Tadashi Nozawa |
Editor | 出版協同社 |
本書の発刊によせる
浮揚することが精一杯であった飛行機が半世紀余りの間に異常な発違を遂げ,今や人頭の生活に欠くことのできないまでに成長したが,これはすべて先人の不廃不屈の努力の嬢み重ねの結果であることは言うまでもない。
わが国においても徳川好敏氏の初飛行前後を通じ,欧米諸国の技術を不断に摂取しながら,日本人自身が創意し,それを生かして行く上において大きな犠牲を払って来たことは周知の通りである。不幸な戦争はその成果を一挙におし流してしまったかに見えるが,新 時代におけるわが航空は,当然これら先輩の心血の上に築き上げらるべきであろう。
私はかねてわが国航空の辿ったあとを様々の形で明らかにして,これからの建熱こ役立てるべきだと考えていたのであるが,わが航空五十年を迎えた今日,たまたまわが航空界の消息通をもって自他ともに任ずる野沢正君と出版協同社の苦心により,本書が編まれたことは欣決にたえない。
航空機は近代科学技術の精枠を集中的に表現したものであるが,その点からしても,本書は単なる飛行機の写真集と見らるべきものではないだろう。広範な国民各階層の航窒一科学技術" 開眼 "に益するところ大であることを望んでやまない。
昭和35年6月30日
財団法人 日本航允空協会会長 郷 古 潔